「マウスピースを口に入れると、どうしてもオエッとなってしまう」
「吐き気が怖くて、スパーリングやマスボクシングに集中できない」
ボクシングの練習において、この「嗚咽(おえつ)」や「吐き気」は死活問題です。無理をして使い続けると、練習の質が下がるだけでなく、実際にリング上で吐いてしまうリスクすらあります。
実は、その吐き気の原因はあなたの我慢強さが足りないからではなく、マウスピースの「長さ」や「形状」が喉の構造に合っていないことがほとんどです。
この記事では、吐き気を物理的に抑えるマウスピースの選び方と、今すぐできる加工テクニックを解説します。
これを読めば、あの不快な「オエッ」から解放され、呼吸も楽になり、ボクシングのパフォーマンスが劇的に向上するでしょう。
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なぜボクシングのマウスピースで「吐き気・嗚咽」が起きるのか?
対策を知る前に、敵(原因)を知りましょう。なぜ特定の人はマウスピースで激しい嘔吐反射(オエッとなる現象)を起こしてしまうのでしょうか。
原因1:マウスピースが「軟口蓋」に触れている
口の天井(上顎)を舌でなぞっていくと、奥の方で柔らかくなる部分があります。これを「軟口蓋(なんこうがい)」と呼びます。
ここは嘔吐反射のスイッチと言えるほど敏感な場所です。既製品のマウスピースは誰にでも合うように大きめに作られているため、この軟口蓋まで届いてしまい、異物として体が「吐き出そう」と反応してしまうのです。
原因2:厚みによる舌の圧迫
ボクシング用のマウスピースは衝撃吸収のために分厚く作られています。しかし、口の中の容積が狭くなると、舌の行き場がなくなり、舌根(舌の付け根)が喉の奥へ押し込まれます。
これにより気道が狭くなり、息苦しさと相まって「吐く」ような感覚に襲われます。

【比較表】吐きにくいマウスピースの選び方
吐き気を防ぐには、アイテム選びが9割です。それぞれのタイプの特徴を比較表にまとめました。
| タイプ | 吐きにくさ | 防御力 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 薄型(1.6mm〜2.4mm) | ◎ | △ | 異物感が少なく、会話や給水も可能。スパーリング強度には注意が必要。 |
| 標準タイプ(3mm〜) | × | ◎ | 防御力は高いが、分厚いため嘔吐反射が強い人は加工が必要。 |
| 歯科医院オーダー | ◎ | ◎ | 歯型に完全フィットするため、無駄な部分がなくオエッとならない。高価。 |
対策1:物理的に「薄い」タイプを選ぶ
最も手っ取り早い解決策は、物理的な厚みを減らすことです。最近では素材の進化により、薄くても衝撃を拡散できる高機能なマウスピース(例:SISUなど)が登場しています。
- 口の中が広く感じる
- 装着したまま水が飲める
- 呼吸が圧倒的に楽になる
特に「吐き気で練習にならない」というレベルの方は、まずは薄型を試すことを強くおすすめします。
対策2:奥歯の「端」をカットして短くする
今持っているマウスピースを捨てずに改善する方法です。
嘔吐反射の主な原因は「長さ」です。奥歯のさらに奥までマウスピースが伸びている場合、そこが喉を刺激しています。
- ハサミを用意する
- 一番奥の部分を2mm〜3mmほどカットする
- 角を紙やすりなどで丸くする
- 装着して確認する(まだ当たるならもう少し切る)
※注意:切りすぎると奥歯の保護ができなくなるため、少しずつ調整してください。

対策3:上顎の「天井部分」を切り取る
お湯で成形するタイプの中には、前歯の裏側(上顎の天井部分)までゴムが覆っているものがあります。
この「天井部分」は、ボクシングの防御においては必須ではありません(歯と歯茎が守られていればOK)。ここが舌に触れると強い吐き気を催すため、V字型やU字型に大胆にカットして、上顎の天井を露出させることで劇的に楽になります。
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吐き気・嘔吐反射を抑えるための習慣とコツ
道具を変えるのと同時に、使い方や慣らし方を工夫することで、さらに吐き出すリスクを減らせます。
鼻呼吸を徹底し、口を開けない
マウスピースをして口呼吸をすると、冷たい空気が喉の奥を直接刺激し、乾燥することで吐き気が誘発されます。
「鼻から吸って、歯の隙間(または鼻)から吐く」
これを徹底してください。口を閉じている方がマウスピースが固定され、舌も安定するため、嘔吐反射は起きにくくなります。
「お湯での成形」は強く吸いすぎない
ボイル&バイト(お湯で温めて噛むタイプ)を作る際、フィットさせようと必死に吸引しすぎると、素材が喉の奥まで伸びて薄く張り付いてしまいます。
成形時は吸い込む力を「7割程度」に抑え、代わりに指を使って外側から歯茎に押し付けるようにフィットさせると、喉奥への侵入を防げます。
自宅での「脱感作(だつかんさ)」トレーニング
脳がマウスピースを「危険な異物」と認識している限り、吐き気は止まりません。脳を書き換えるトレーニングを行いましょう。
- 練習以外(テレビを見ている時や入浴中)に装着する
- 1日1分から始め、徐々に時間を延ばす
- ミント系の香りがするマウスピースクリーナーを使う
リラックス状態で装着することで、脳に「これは入れていても安全だ」と学習させることができます。
よくある質問(Q&A)
最後に、マウスピースの吐き気に関する疑問にお答えします。
A. 確かに厚みがあるタイプに比べると、物理的な衝撃緩衝距離は短くなります。しかし、最近の薄型素材(特殊ポリマーなど)は、衝撃を一点で受けず全体に分散させる力が強力です。プロのハードパンチャーとのスパーリングでなければ、練習用としては十分な性能を持っています。何より「吐き気で練習できない」状態よりは遥かにマシです。
A. 試合中に吐いてしまうと、レフェリーストップ(TKO負け)になる可能性があります。吐き気が来そうになったら、一度クリンチなどで動きを止め、鼻から深く息を吸って落ち着かせましょう。インターバル中にセコンドに水を少し含ませてもらい、口の中の粘つきを取るのも有効です。
A. 自由診療となるため医院によりますが、相場は10,000円〜20,000円程度です。市販品(2,000円前後)に比べると高いですが、吐き気の悩みから完全に解放されるなら、投資する価値は十分にあります。
まとめ:自分に合ったマウスピースで快適なボクシングライフを
ボクシングにおけるマウスピースの吐き気は、我慢して解決するものではありません。「物理的に当たらないようにする」のが唯一かつ最強の解決策です。
この記事のポイント:
- 喉の奥(軟口蓋)に当たる部分をカットする
- 厚みのない「薄型・軽量タイプ」を選ぶ
- 上顎の天井部分がない形状にする
- 鼻呼吸でリラックスする
「オエッ」となる恐怖心から解放されれば、スタミナも長持ちし、ボクシングがもっと楽しくなります。ぜひ、あなたにぴったりのマウスピースを見つけて、全力で練習に打ち込んでください。
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