「ボクシング用のマウスピースを買ったけれど、歯茎に食い込んで痛い」
「八重歯のところがすぐに浮いてしまい、スパーリング中に息苦しくなる」
市販のマウスピースの多くは、標準的な綺麗な歯列を想定して作られています。そのため、歯並びに凸凹がある方がなんとなく選んでしまうと、装着時の不快感だけでなく、口の中を切る怪我や、パンチをもらった際の脳へのダメージ蓄積にもつながりかねません。
しかし、諦める必要はありません。「素材の層」と「成形テクニック」さえ間違えなければ、ガタつきのある歯でも吸い付くようなフィット感を手に入れることは可能です。
この記事では、歯並びが悪い人でも失敗しないマウスピースの選び方と、フィット感を高める裏技的な調整方法を解説します。この記事を読めば、あなたの歯にシンデレラフィットする一本が見つかります。
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なぜ市販のマウスピースは歯並びが悪いと合わないのか?
そもそも、なぜ既製品は歯並びが悪い人にとって「使い物にならない」ことが多いのでしょうか。その原因を知ることで、選ぶべきスペックが見えてきます。
1. 特定の歯に圧力が集中して「痛い」
歯が一列に並んでいない場合、飛び出している歯(八重歯や出っ歯)だけにマウスピースの壁が強く当たります。硬すぎる素材だと、その一点に圧力が集中し、装着しているだけで歯が締め付けられるような痛みが発生します。
2. 隙間ができて「外れやすい」
マウスピースのフィット感は「真空状態」によって生まれます。しかし、歯列に凹凸があると、一般的なシングル素材(単一構造)のマウスピースでは細かい隙間を埋めきれません。その結果、空気が漏れてしまい、口を開けた瞬間にカポッと外れてしまうのです。

歯並び・八重歯・出っ歯に対応する選び方 3つのポイント
複雑な歯並びの方が市販品を選ぶ際、パッケージのどこを見るべきか。絶対に外せない3つの条件を紹介します。
① 素材は「二層構造(ダブルレイヤー)」を選ぶ
最も重要なのが構造です。市販品には大きく分けて2つのタイプがあります。
- 単一構造(シングル):全体が同じ硬さのゴム。安いが、複雑な歯並びには馴染まない。
- 二層構造(ダブル):外側は衝撃を守るハード素材、内側は歯型を取るためのソフト(ジェル)素材。
歯並びが悪い人は、必ず「二層構造」を選んでください。内側の柔らかいジェルが、八重歯や引っ込んでいる歯の隙間にも入り込み、オーダーメイドに近い密着感を生み出します。
② 「前歯部分の形状」がV字に近いものを選ぶ
出っ歯気味の人の場合、マウスピースのアーチが平坦(U字型)すぎると、前歯が圧迫されます。海外ブランドの中には、欧米人の骨格に合わせて幅広に作られているものも多いですが、日本人の顎に合いやすい、ややV字気味のカーブを描いているモデルや、「スリムタイプ」と記載のあるものが狙い目です。
③ 予算と時間があるなら「歯科製作」と比較する
「どうしても市販品が合わない」という場合は、最終手段として歯科医院で作ることも検討してください。以下に特徴を比較しました。
| 特徴 | 市販品(二層構造) | 歯科医院(カスタム) |
|---|---|---|
| 価格相場 | 2,000円〜4,000円 | 15,000円〜30,000円 |
| 入手スピード | 即日 | 型取りから2週間程度 |
| 歯並び対応 | 工夫次第で対応可 | 完璧に対応 |
| 呼吸のしやすさ | 厚みが出やすい | 薄くて楽 |
まずは数千円の「高性能な市販品」を試し、それでもダメなら歯科医院へ行く、というステップが経済的でおすすめです。
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ガタつく歯でも密着させる!プロ直伝の成形テクニック
良いマウスピースを買っても、「型取り(成形)」に失敗しては意味がありません。特に歯並びが悪い人は、説明書通りにやるだけでは不十分です。ここでは、プロが実践する「隙間を埋めるコツ」を伝授します。
コツ1:お湯の温度管理とタイミング
説明書に「80度のお湯」とあっても、給湯器の温度では足りないことがあります。鍋でお湯を沸かし、少し冷ましてから使いましょう。
八重歯がある場合、素材が硬いと歯が深く入っていきません。「規定時間より5秒ほど長く」お湯につけ、素材をトロトロに柔らかくするのがポイントです。(※火傷には十分注意してください)
コツ2:指と舌で「真空状態」を作る
口に入れた瞬間が勝負です。以下の動作を素早く行ってください。
- 上の歯にマウスピースを嵌め、軽く噛む。
- 人差し指と親指で、唇の上から「歯と歯茎の境目」を強く押し込む。
- 同時に、舌全体を上顎に押し付け、マウスピースの裏側を押し広げる。
- その状態で、思いっきり空気を「チューッ」と吸い込む。
この「吸い込み」を強く行うことで、歯の凹凸にジェルが吸着し、外れにくくなります。
コツ3:どうしても痛い・オエッとなる場合のトリミング
成形後、特定の場所が当たって痛い場合や、長すぎて「オエッ(嘔吐反射)」となる場合は、ハサミでカットします。
- 奥歯が余る場合:奥端を2〜3mmずつカットします。第二大臼歯(一番奥の歯)の半分くらいまで覆われていれば十分です。
- 歯茎に刺さる場合:フチが高すぎて歯茎に当たっている部分を、曲線的にカットします。
カットした断面はライターの火で軽く炙り、指でなぞって滑らかにすると、口の中を切る心配がなくなります。

よくある質問(Q&A)
最後に、歯並びを気にする方が購入前によく抱く疑問にお答えします。
通常のお湯成形タイプはおすすめしません。ワイヤーに素材が絡まり、外す際に矯正器具が破損したり、矯正の動きを妨げたりするリスクがあります。
必ず「矯正用(オーソドックス)」として販売されている、ワイヤーのスペースが確保された専用モデルを選ぶか、担当の矯正歯科医に相談して作成してください。
「サーモプラスチック」という素材を使用している多くの市販品は、再度お湯につけることで形をリセットできます。ただし、回数を重ねるごとに素材の弾力が失われ、硬化してしまうため、作り直しは「2〜3回まで」が限界と考えておきましょう。
ボクシングの通常練習やアマチュアの試合では、基本的に「上の歯用(シングルガード)」のみを使用します。上下一体型(ダブルガード)は呼吸がしにくいため、特別な指示がない限り、まずは上の歯用だけで十分です。
まとめ:自分の歯に合うマウスピースでボクシングを安全に
歯並びが悪くても、選び方と工夫次第で、安全で快適なマウスピースは見つかります。
記事の要点まとめ
- 歯並びが悪い人は、凹凸に馴染む「二層構造(ジェル入り)」が必須。
- 成形時は、指での押し込みと「吸い込み」で真空状態を作る。
- 長すぎる場合や当たる部分は、ハサミでカットして調整する。
「たかがマウスピース」と思わず、自分に合ったギアにこだわることは、ボクシングの上達だけでなく、あなた自身の体を守るための最重要事項です。違和感のないマウスピースを手に入れて、思い切りボクシングを楽しんでください。
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